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メカニクス・アイ

Mechanic’s Eye|13 「時間の線をなぞる」

Mechanic’s Eye|13

「時間の線をなぞる」

外装を剥がされ、内装も静かに息を潜めている。

3度、当社を巡り、またここに戻ってきた356SC。

オーナーたちの記憶と、積み重なった時間が

薄い層となって残っている。

金具ひとつ、ネジひとつが語る歴史は、

最新の車にはない“深み”そのものだ。

75馬力。

数字だけ見れば控えめだが、その回り方は驚くほど軽やかで、ただ気持ちよく、ただ楽しい。

レストアは、元へ戻す作業ではない。

「これからまた何十年も走れるように」という

未来をつくる仕事だ。

時間に磨かれたラインを、

もう一度、美しく。

もう一度、走り出すために。

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